カテゴリー別アーカイブ: 学校図書館の話

イベント「図書館、使いこなせてる?」を行いました!

先日ご案内した通り、本日グラスまちライブラリーさんとのコラボイベント、「図書館、使いこなせてる?」を行いました。

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生憎の雨模様で事前の宣伝も不十分だったためか参加者数は少なかったのですが、それでも参加された方々と図書館について色々とお話することができました。

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天候にかかわらず今回はデジタル機器をほとんど使わない(使ってもiPadで画面を見せる程度)ということだったので、このように画用紙をマスキングテープで装飾して手書きでフリップなどを作成しました。マスキングテープが思いの外好評でした!

今回は「図書館を普段あまり使わない人に、図書館ってこんな便利なところもありますよ、実はこんな役割もあるんですよ」という内容でしたが、私がただお話するだけではつまらないと思い、ワークショップ的なものも交えつつ以下のような内容にしました。

(1)「としょかんって、どんなところ?」というテーマで画用紙半分に今図書館に対して持っているイメージをグループで話し合いながら書いてもらう

まず、聴き手の皆さんが今図書館をどんな風に使っているのか、図書館に対してどんなイメージや想いを持っているのかを画用紙に書いていただきました。

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書かれているのは「本の検索ができる」「CDが借りられる」「本の検索ができる」「本を借りるところ」など、概ね事前に予想していた通り、図書館の様々な機能や役割があまり知られていない印象でした。
ただ、今考えると、図書館にとっても詳しい方がたくさんいらしてた時を想定してこの後の話を複数パターン用意しておくべきでした…実際、「調べもものにいい」などこの先話す内容のことも書かれていたりします。
また、「飲食禁止」「静かにするところ」「勉強(自習)してはいけない」など予想していなかったことも書かれていて、このあとこの方向の話が広がり想定外の面白さがありました。

(2)しらべたいなら、としょかんへ!

(この項はおおよそ話した内容をそのまま書きます)。
本を貸し借りするだけが図書館の役割ではありません。図書館は利用者さんが何か調べたいことがあるときに手助けをするサービスをしています。図書館には物語や絵本以外にも様々なジャンルの本がありますよね?図書館の本は日本十進分類法という方法で本の仲間分けをしており、おおまかに10種類に本を分けています(0〜9類を説明)。では、どうして物語の本や絵本以外の仲間の本もあれだけたくさんあるのでしょう?それは、図書館は本を読んで楽しむだけにあるのではなく、利用者の方が様々なことを調べられるようにするためです。そして、図書館は利用者の方が調べる手助けをします。その手助けサービスのことを「レファレンス」と言います。「レファレンス」だとわかりにくいですよね、日本語で言うと「情報サービス」「情報探索サービス」でしょうか。要するに、情報探しの手助けです。例えば、

「子どもの頃に広い芝生でどんな遊びをしましたか?」

ということを知りたいのであれば、図書館に行って聴けば瞬時にこんな風な本(昔あそびや子どもの屋外遊びの本)を探しだしてくれます。

あるいは、

「箱作(会場の最寄駅の名前)という地名の由来は?」

という質問に対しても、図書館には地域の歴史や民俗の資料がたくさんあるので調べることができます(郷土資料をお見せしました)。図書館は地域の歴史や郷土、文化を保存する役割もあります。

あるいは、

「阪南市にカフェ&雑貨のお店を開きたいけれどどうすれば?」

という質問であれば、カフェや雑貨店の開店についての本、ネットショップも同時にするのであればネットショップの開業や商品の写真の撮り方の本、大阪にある他のカフェや雑貨店を視察したいのであれば大阪のカフェ・雑貨店のガイド本もあります。また、開業の際の相談窓口なども紹介してくれます。

このように、何か調べたい時には図書館に行けば、図書館は手助けしてくれます。

(3)ほんがとしょかんになければ…

(この項も話した通りに書きます)
こういった調べ物をしたりしている時に、調べたい本が図書館に無いケースもあります。けど、図書館に無ければ読めない…というわけではありません。他の市町村や大阪府立図書館から資料を取り寄せてもらって、読むことができます。図書館は他の図書館と連携して利用者さんが資料を読むことができるようにネットワークを築いています。大阪府で言えば、大阪府立図書館は他の図書館よりも資料をはるかに多く購入しており、大阪府下の市町村の図書館を支える役割があります。

また、何か調べたい時には資料だけでなく、大学や文化施設などの専門機関を紹介してくれることもあります。さきほどのカフェ開業のようなケースがそうです。

さらに、日本最大の図書館「国立国会図書館」があります。法律で、本を出版したら国立国会図書館に本を納めないといけない「納本制度」というものがあります。膨大な資料を持っていて、直接行って資料を見ることもできますし、市立図書館に資料を取り寄せたりデジタル化した資料を見せてもらうこともできます。

なお、国立国会図書館には「レファレンス協同データベース」というデータベースがあり、先ほどの図書館の調査の事例をデータベース化しています。日本全国たくさんの図書館がこのデータベースに事例を登録しています。
また、大阪府立図書館は「e-レファレンス」という、インターネット上で調査相談を受けつるサービスもしています。

(4)かんがえよう、としょかんのやくわり

最後に、今日の話を聞いた上で、図書館の役割や、こんな図書館がいい!ということを再度画用紙に書いていただきました。

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今回はお子さん連れの方が多かったためか、児童コーナーや子ども連れで図書館に行くことなどに関する書き込みが多いですね。特に児童コーナーとそれ以外のコーナーをフロア分けしたらどうか?という話で盛り上がりました。お子さん連れだとどうしても他の利用者さんに気を遣ってしまう、騒いだら申し訳なく思うとのこと。また、「図書館の人が忙しそうで声を掛けづらい」という声も。また、図書館で長居したいのに自販機が無い、館内で飲み物を飲めないのが困るという話も出ました。そして、資料をもっと増やして欲しい、古い資料を新調して欲しいという意見も。

以上のようなことをお話しましたが、あくまでおおまかに書いただけで、実際にはどんどん話が広がっていきました。分類についてもっと込み入った話をしたり、他の図書館の話(飲食できる図書館やカフェのある図書館など)に広がったり、あるいは図書館に対して要望があってもどこに言って良いのかわからない、議員さんに言ったり図書館を考える会に参加したりというのはハードルが高い、など。
図書館を利用しない人も、利用している人も、図書館に対して「もっとこうして欲しい」というニーズはあるものの、そのニーズを図書館側が拾うのはとても困難ではないか、という印象を受けました。いち図書館員として、こういったニーズをどうやって拾っていくか?ということを考えさせらるイベントでした。

今までこんな風に「図書館関係者以外の大人に図書館の話をする」ということは無かったのでイベント前は少し不安だったのですが、やってみれば新たな発見が多々あり、大変良い経験になりました。また機会があればぜひやってみたいですね。


以下、今回の参考文献です。















本も図書館関係者以外の方が読んでも面白い本が多いです。ぜひご一読ください。


【会場変更】グラスまちライブラリーさんとのコラボイベント開催!OSAKA BOOK FESTA+2015

以前当サイトで「まちライブラリー」および「グラスまちライブラリー」さんをご紹介しました。

・グラスまちライブラリーに行ってきました

そして2015年4月18日(土)〜5月17日(日)にかけて、主に大阪のまちライブラリーを中心に「OSAKA BOOK FESTA+2015」というイベントが開催されています。

・OSAKA BOOK FESTA+2015

まちライブラリーOSAKA BOOK FESTA+ 2015 は、民間図書館“まちライブラリー”、公共図書館や大学図書館、書店、ショップなど大阪とその周辺に点在するブックスポットを巡り、本を介して人と人との出会いを生み出す新しいタイプの地域イベントです。
ブックスポットでは、トークやワークショップなど様々なアクティビティが開催され、参加者が推薦した本を紹介するコーナーなどもあります。
さあ、本を持ってまちに出よう!
思いもよらない本と人との出会いが、大阪の街であなたを待っています。
(OSAKA BOOK FESTA+2015サイトより引用)

イベントの様子はテレビ東京の番組でも紹介されました。

・TV TOKYO アンサー「くらしのアンサー なぜここに続出!ナゾの交流場」

そして、このたびほんとも!もグラスまちライブラリーさんとのコラボでOSAKA BOOK FESTA+2015イベントを開催いたします!

コラボイベントチラシ
・【大阪ブックフェスタ】2本だて!(1)ほんともさんコラボ図書館使いこなせてる?!(2)広大な芝生で遊ぼう!

日時:5月16日(土)11:00〜
ほんとも!のイベントは45分程度、イベント終了後ランチタイム(※各自持参)や芝生遊びあり
場所:大阪府阪南市桃の木台中央公園
(雨天時は近隣の屋内施設で開催)
対象年齢:全年齢
参加費:無料
アクセス:南海電車箱作駅下車、南海ウィングバス阪南スカイタウン線・桃の木台7丁目下車

※※※雨天のため会場を桃の木台東住民センターに変更いたします。南海ウイングバス阪南スカイタウン線・桃の木台3丁目下車、飯ノ峯中学校前の住民センターが会場です。※※※

ほんとも!はイベントの前半を担当させていただきます。
イベントタイトルは

「図書館、使いこなせてる?」

主に「普段図書館を使わない人」や「図書館で本は借りているけれど、それ以外の使い方を特にしていない人」を対象に、図書館の思わぬ使い方や役割について、参加者の皆さんにも一緒に考えていただきつつ図書館の話をしようと考えております。
なお、ほんともは10時ごろから公園にいますので、イベント前に学校図書館の話をしたり、お子さん連れであれば読み聞かせをしたりもします。
イベント後は広大な芝生で一緒に楽しい遊び(昔あそびのような)もします。
みなさま、どしどしご参加ください!


日本十進分類法 新訂10版について勉強しました 改訂方針編

前回は「日本十進分類法 新訂10版について勉強しました 外見・中身編」と題して外見やコンテンツの変更について書きました。
今回はいよいよ分類方法などがどのように変わったかを書きます。

なお、説明のためページ番号を書く必要があるのですが、NDCは2冊にわかれているため、わかりやすいよう「本表・補助表編(第1分冊)」を1巻、「相関索引・使用法編(第2分冊)」を2巻とさせていただきます。
また、9版と10版の違いがわかりやすいよう、文字の色を9版の説明部分は茶色に、10版の説明部分は緑色にしています。

<改訂方針>
まず2004年に公表された10版の改訂方針について、1巻26pに記載されています

・NDCの根幹に関わる体系の変更はしない
・ただし「007 情報科学」と「548 情報工学」の統合の可能性を検討する
書誌分類を目指す
・新主題の追加(件名標目表4版や国立国会図書館件名標目表、新刊書等を参考に)
・全般にわたって解説や分類項目名などの修正・追加(論理的不整合、時代の変化等に合わせて)
・分類典拠ファイルの作成
(※強調はほんともによる)

基本的には9版から大幅に分類体系の変更を加えることはなく、時代にマッチした改訂になっているようです。
1巻27pの「3.2 追加的対応」にもその旨の記述があります。
これは現状多くの図書館がNDC9版を使用しており、大幅な変更は影響が大きいことも考慮されているのかな、と思います。

<「007 情報科学」と「548 情報工学」の改訂>
「007 情報科学」と「548 情報工学」の統合については、「統合の可能性を検討する」と前述しましたが、結果的に

「記号的な統合よりも『概念(観点)の明確化』により区分する考え方に切り替えた」

となっています(1巻27pより)。
9版と10版を比較してみると、10版の007、548は項目名や注記が変更されている箇所が多く、新規追加項目も多くあります。
例えば、10版007では

「007.6355 書体[フォント]」

など今となっては当たり前の項目が多く追加されています。
また、9版では「582.33 ワードプロセッサー.タイプライター」にワープロ用ソフトウェアを収めていた(ただし別法で007に入れることはできた)のが10版では「007.638 文書作成ソフトウェア」に統合されさらにプレゼン用ソフトや表計算ソフトなど細かく分類されるようになっています。

一方、548も同じく情報工学の発展に合わせた追加・変更がされています。細かく挙げていくときりがないのですが、例えば9版では

「548.21 入力装置」

としか記述されていなかったものが、10版では

「548.21 入力装置:マウス、タッチパッド、トラックボール」

というように改訂され、さらに

「548.211 文字・画像入力」(キーボードやペンタブレットなど)
「548.212 映像入力」
「548.23 音声入力」

と細分化されています。
また、同じく「548.25 出力装置」10版では「文字・画像出力」や「映像出力」や「音声出力」にさらに細分化されるなど、ともかく時代に合わせた改訂がなされています。

さらにこれら情報科学・情報工学で10版で大きく変更されたのは、「547.48 情報通信」と「548 情報工学」を別法で「007 情報学.情報科学」に収めることができるように明記されたことです。
9版では「007 情報科学」を別法で「548 情報工学」に別法で収められることは明記されていたのですが、その逆の「548 情報工学」を「007 情報科学」に収める別法は明記されていませんでした。
図書館としては情報に関する資料を0類・5類のどちらにも統一して分類しやすくなり、使いやすくなったのではと思います。また、007・548に限らずこのような使いやすい改訂が随所になされています(学校図書館に特に係る部分は次回の記事で触れます)。

<書誌分類を目指す>
実を言うと私は「書誌分類」という言葉をダイトケン合同例会まで知りませんでした。
「書誌分類」の説明の前に、まず「書架分類」を説明したほうがわかりやすいかもしれません。
「書架分類」は資料を書架に並べるために分類記号を「ひとつだけ」決める分類法です。排架のための分類であり、分類番号は短く簡潔、乱暴な言い方をすればおおざっぱな分類です。
一方、「書誌分類」は資料が持つ主題を詳細に分析し分類番号を付与します。詳細に主題を分析するため、分類番号は長く、また複数の分類番号を付与することもあります。
これは、排架のために分類番号を付与するのではなく「書誌」=本を探すための情報として分類を付与するためです。資料が多くの主題を持っていれば、分類番号も複数になります。

NDC10版は「書誌分類をめざす」(1巻26p「3.1 改訂方針」より)としており、本表・補助表編(第1分冊)の「序説」や相関索引・使用法編(第2分冊)の「使用方法」も書誌分類を前提に書かれています。特に「使用方法」の「1.1 書誌データの作成と分類作業」(2巻・266p)にはっきりと「主題要素各々に対応した複数の分類記号を積極的に付与(分類重出)することが望ましい」と書かれています。

<分類典拠ファイルの作成>
「典拠ファイル」とはごくごくおおざっぱに言えば、著者名や主題の統一型を記録したファイルのことです。書誌を作成する際に、作成者によって著者や主題がバラバラになったり間違ったりしないよう、この「典拠ファイル」から著者や主題をデートして引っ張りだしてきたり、資料検索でもこの典拠ファイルを用いて検索精度が上がるようにしています。
「分類典拠ファイル」とはつまり分類表の典拠ファイルであり、NDC9版ではすでにこの分類典拠ファイルである「NDC・MRDF9」(MRDFはmachine-readable data formatの略)が提供されています
NDC10版でも同じく分類典拠ファイルとして「NDC・MRDF10」の作成・提供を計画されていましたが、10版出版までには間に合っていません(1巻30p「3.5 NDC・MRDF10の検討」より)。改訂作業の膨大さを考えると、これはしかたのないことだと思います。今後の提供が期待されますね。

この記事を書くにあたり、9版と10版の007・547・548を見比べる作業をしてみたのですが、その作業だけでも大変疲れました。0類〜9類を改訂する作業というのは、恐ろしい労力と疲労を伴ったと思います。改訂作業をされた皆様、本当にお疲れ様でした。
なお、改訂方針だけでこれだけの分量になってしまいましたので、NDC10版と学校図書館についての記事は次回「日本十進分類法新訂10版 学校図書館にどう関わってくる?」(タイトル予定)で書きたいと思います。


日本十進分類法 新訂10版について勉強しました 外見・中身編

「日本十進分類法 新訂10版」(以下NDC10)が刊行されました。


・日本十進分類法 新訂10版
(日本図書館協会通販ページリンク)


9版の刊行が1995年8月、新訂10版は2014年12月なので実に約20年ぶりの改訂です。
この刊行に伴い関西では新訂10版に関する研修・研究会が開催されました。


・大図研近畿3支部合同例会「日本十進分類法新訂10版の全貌」
・日本図書館研究会 図書館学教育研究グループ例会「NDC10をどう教えるか」


このどちらにも参加させていただきましたので、簡単な新訂10版の改訂についてと、学校司書として今回の改訂が学校図書館にどのように影響するかなどを書いていきます。
なお、特に前者のダイトケン研修会では改訂に携われた藤倉恵一様ご自身にご解説いただき大変勉強になりました。
改めて感謝申し上げますとともに、この記事は藤倉様の解説を中心に書いております。

<改訂作業について>
改訂にはのべ17名の方が携わり、刊行直前まで改訂作業が行われていました(刊行後も訂正箇所等のために作業が続けられています)。
これだけの改訂には大変な労力なだけでなく、神経を擦り減らすような緻密さも求められるかと思います。
改訂をしてくださった日本図書館協会分類委員会の皆様、本当にお疲れ様でした。
改訂に携われた委員の皆様は普段大学図書館や公共図書館等で通常業務をこなしつつ、プライベートな時間も削って改訂作業をされていたとのこと。
個人的にはこの仕組みは委員の皆様に負担が大きすぎるように思います。
改訂作業は図書館界全体に関わる作業であり、勤務時間中にもっと改訂作業に関われるような仕組みづくりが必要なように感じました。

<外見的な改訂について>
既にNDC10を手に取られた方はわかるかと思いますが、9版と目に見えて大きな違いは

・A5判→B5判

に変わったことかと思います。
これは、A5判サイズで改訂するとページ数増に伴い1cm近く厚みが増してしまうためです。
個人的には、ページが大きくとても見やすくて良いです。
また、「日本目録規則」や「基本件名標目表」とサイズを合わせるためでもあります。
他の外見的な変化は、


・表紙が茶色→黒色
・背の♦が第1分冊(本表・補助表編)が♦ひとつ、第2分冊(相関索引・使用法編)が♦ふたつになっている
・バーコード貼付を考慮し表紙のエンボス加工を左下から右上に
・つめ(小口見出し)が9版では相関索引のみだったのが、両方につけられた
・分類番号と項目の間のスペースが全角になり見やすく
・中間見出しや網レベルの分類がくるときに改ページ(大事な注記や見出しがページをまたぐことを抑止)
・本表と相関索引で厚みが異なり、触っただけでも区別がつきやすい。
・9版解説ページに使われていたローマ数字をやめる(司書課程等の授業でページ番号を教えにくい)


という風に、細部も使いやすいように変更されています。
本当に細かいところまで使う人への気遣いが行き届いているように感じました。



<中身の変更・追加点>
分類以外のコンテンツの変更点も多々あります。

・分類そのものについての解説の「序説」の追加
・「使用方法」及び分類をする上で重要な「用語解説」追加
・序説、使用法、用語解説、判例に使われている用語が
 どのページに有るかの「事項索引」の追加


9版では「解説」で一括りにされていたものがよりわかりやすいように変更・追加されています。
ただ、自分の勉強不足ではあるのですが用語解説はもっとわかりやすい説明を…という用語がいくつかあります。
ただ、ここの部分をもっと充実させてページ数を増やすのはNDC10の本来の目的ではないので、わからない用語は他の本で勉強を、ということでしょう。


長くなったので、次回「日本十進分類法 新訂10版について勉強しました 改訂方針編」に続きます。


3/1(日)自主講座「探究的な学びと学校図書館の活用」キックオフ・ミーティングのご案内

久々の更新ですが、サイト更新ではなく勉強会のご案内です。

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「探究的な学びと学校図書館の活用」キックオフ・ミーティング

日時:3月1日(日)13:00〜16:00
場所:神戸市勤労会館 307号室
テーマ:「探究的な学びと学校図書館の活用」
内容:(1)講座の目的、計画の概要、諸概念の整理
(2)日程、進め方などのついて話し合い
申込:学校図書館勉強会(神戸)にメールにて、詳細は以下リンク先を御覧ください
https://www.facebook.com/events/910854778967147/?ref_dashboard_filter=upcoming

以下自主講座Facebookページより

子どもが切実な問題意識をもって自ら設定した課題に取り組み、経験や知識を再構成して、新たな気づきや発見にいたる探究の過程で、学ぶ意味を実感する・・・学校教育の過程で子どもが本気になって取り組む「本物の学び」(authentic learning)の機会を生みだしていくには、教師自身の能力開発と学校図書館の活用が鍵になると考えます。
司書教諭や学校司書は、学校図書館をどのように整備し、子どもの学びにどのように関わればいいのか。教師は、学校図書館を活用して、子どもたちの学びをどのように導いていけばいいのか。こうした問題について、お互いの経験知を共有するために、探究的な学びに関わる教員及び学校図書館職員の学びのための自主講座をはじめることにしました。

自主講座では、「探究」をキーワードにして、近年、活動理論との親和性も注目されているジョン・デューイの教育観を再検討し、現代の教育課題に応える学びのあり方と学校図書館の関わりを、いくつかの側面から総合的に捉えて探究したいと考えています。たとえば、ひとつは、空間と資料と人が有機的に関わりあう学びの「場所」(知能環境あるいは学びの広場)として学校図書館をどのように整備するか、ふたつ目は、多様なリテラシーの基盤となる情報やメディアのリテラシー(あらゆる形態の情報やメディアを選択、評価、活用する力)をどのように育むか、そして、もう一つは、探究活動を進めていく思考と感性をどのように培っていくか。

 「いかに教えるか」ではなく、子どもの学びに寄り添うことを軸にして、皆さんの経験を持ち寄って、実際に生徒の意欲を掻き立て、気づきや学びをもたらした経験や、逆に生徒の意欲を削いだり、失敗した経験なども話し合いたいと思います。具体的な実践知を共有することで、探究的な学びに関わる教師及び学校図書館職員の能力開発や司書教諭のリカレント教育のプログラムを提案することができればいいと考えています。職種や経験を問わず、私たちの試みに賛同して能動的に参加してくださる皆さんのお越しをお待ちしています。

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私の勤める学校は探究型学習に力を入れていますが、
まだまだ手探りで取り組んでいる状態です。
他校の探究型学習の実践や資料を参考にしていますが、
こういった探究型学習に学び合う、情報を共有しあう、
探究型学習そのものについて探究していく機会はまだあまりないので、
参加して一緒に勉強させていただいたいと思います。
ご興味のある方はぜひご一緒に!


グラスまちライブラリーに行ってきました

みなさん、「まちライブラリー」という言葉をご存知でしょうか?



まちライブラリーとは、まちのカフェやギャラリー、オフィスや住宅、お寺や病院などの一角に共通の本棚を置き、そこにメッセージ付の「本」を持ち寄り、交換しながら「人」の縁をつむいでいく活動です。
2011年春からスタートし、現在、東京、大阪、埼玉、名古屋、兵庫、奈良など70カ所近くで展開しています。
この活動の提唱者礒井純充は、かつて森ビルの教育・文化活動(アーク都市塾、アカデミーヒルズ)に携わり、六本木アカデミーヒルズで日本初の有料会員制ライブラリーを立ち上げましたが、より身近で、顔の見える関係を大切にした個人の力でできる「まちライブラリー」活動を呼びかけています。
まちライブラリー@大阪府立大学「まちライブラリーとは」より引用)



個人的には地域、地元に密着した、小さなコミュニティで
共有するライブラリーという印象を抱いています。
そのライブラリーを介して人と人との繋がり、人と本を繋げるのが
まちライブラリーのひとつの役割のように思います。


そんなまちライブラリーが地元にできるということで行ってみました。
名前は「グラスまちライブラリー」。

所蔵している本、場所はこちら
https://librize.com/grassmachilibrary
Twitterアカウント
@gmachilibrary
Facebookページはこちら
https://www.facebook.com/pages/Grass-Machi-Library/357246891105778


実はあまり下調べをせず「公園でやっている」という情報だけを
元に訪れたのですが、それらしきものがなかなか見つかりません。
公園の中を進んでみると…


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最初は「住宅街だしご近所さんでピクニックをしているのかな?」と思ったのですが…

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なんと,これがグラスまちライブラリーでした!
名前の通り「芝生」の上のライブラリー!
「公園で木の小さな本棚を置いてやっている」
というようなイメージを勝手に抱いていたのですが、
実際にはピクニックシートの上に本を広げていて、

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お昼時でみなさんお弁当を召し上がっていて、
実にのどかなライブラリーでした。
珈琲を飲んだりお弁当を食べたりしながら
本の話やご近所の話や世間話や仕事の話をゆる〜くしていて、
「見学させていただけるかな…自己紹介どうしよう…」と
すごく身構えて堅苦しくしていた自分が馬鹿らしくなるくらい、
とても癒されるまちライブラリーでした。
珈琲におにぎりまでいただいてしまいました、ごちそうさまでした。


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所蔵されている(しかし「所蔵」という言葉を使うのも
なんだか堅苦しくなるくらいのんびり楽しめる)本は、
料理やお片付け、ビジネス本や野球本、絵本、詩の本などなど。
なんとなく地域性が感じられる本たちですが、
「この本とこの本は同じ人の寄贈かな?」と想像したりして、
自分も本を寄贈したくなります。

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グラスまちライブラリー運営の方は
「子どもたちが芝生の上を走り回れるのが良い」とおっしゃられていましたが、
本当に子どもたちは絵本を読んだり走り回ったり自由にしていて
遠くに遊びにいってどこに行ったかわからなくなったりもして(笑)、
公立図書館や学校図書館ではこうはいかないよなぁ…
と痛感しながら、自分もその自由さと心地よさにつかっていました。
毎月1回開館(という言い方もやっぱり堅苦しい)されるとのことで、
思わず利用者登録して本も借りてしまいました。
貸出期間も次の開館まで。
これが2週間後とかだと「ちょっとそんな頻度では通えないなぁ…」となるのですが、
1ヶ月に1度なら通うのも苦になりません。
そしてまた来るのが楽しみになりました。
お近くの方はぜひお越しください♪
来月は絵本を持参して、子どもたちがいたら
読み聞かせをしようかと思います。
グラスまちライブラリー様、記事での紹介を快諾してくださり、
また楽しい時間をありがとうございました♪


トークセッション 「本+空間(hontasu 空間)Vo.1」に参加しました

先日(2014年10月11日土曜日)、奈良県立図書情報館にて
トークセッション 『本+空間(hontasu 空間)Vo.1』」というイベントに参加しました。

「本+(hontasu/ほんたす)」シリーズ第1回。ゲストは堀部篤史(恵文社一乗寺店長)+内沼晋太郎(ブックコーディネーター)+砂川昌広(とほん店主)。ユニークな店舗づくりをする書店の方々を迎え、「本のある空間」について考え、語り合います。

「本+(hontasu)」は、本を軸に、まつわる周辺にもまなざしを向けながら、それをめぐる世界を考えようというイベントプロジェクトです。イベントを通じて、単に本があるというだけではない、本と人や情報の集まる新たな“場”の可能性について考えます。

イベントは、図書情報館と図書情報館から生まれた活動コミュニティがともに、企画、運営しています。
(奈良県立図書情報館イベントページより引用)

当日はまず20分ずつ砂川さん、堀部さん、内沼さんの順にご自身のお店や活動の説明があり、
その後45分間のパネルディスカッション。
休憩を挟んで3グループに分かれてゲストの方を囲みグループセッションを25分×3回、
最後に質疑応答と全体セッションと盛りだくさんな内容でした。

ゲストお一人目の砂川昌広さんは奈良県大和郡山市にて
4坪の書店「とほん」を経営されている店主さん。

・とほんサイト

http://www.to-hon.com/


以前勤められていた書店が閉店した後、
奥様の地元大和郡山市にNPOの方の協力を得て「とほん」をオープン。
店の名前は「◯◯と本」から取っており、
様々なことと本が繋がるという意味とのこと。
お店の写真には訪問者が書いたらしき
「◯◯とほん」のメッセージボードが店内に飾られていました。
新刊に加え古本、雑貨の取り扱いもあります。
お店のある場所は創業400年の和菓子屋さんもある歴史の古い商店街。
地元で開かれるフリマ「ひとたらい市」に参加したり
他地域でのイベントにも出店したり、
地元に溶け込む姿勢が感じられる書店さんでした。
4坪の書店ということで本のチョイスが難しく感じられたのですが、
自分のこだわりや趣味を前面に押し出すのではなく、
ジャンルを狭めず偏らないように幅広く、
また流行の本の方が在庫リスクが高く長く売れる良い本を置いている、
というのが印象的でした。
大和郡山市には大型チェーン書店もあるのですが、
それぞれの店がその店なりの本を置いていて
「お客さんが本屋巡りできる」ようになれば良いと考えてらっしゃるそうです。
我が家から近いので、近いうちに訪れたいと思いました。



お二人目のゲスト堀部篤史さんは言わずと知れた
恵文社一乗寺店の店長さん。

・恵文社一乗寺店サイト
http://www.keibunsha-books.com/


私も何度か訪れたことがありますが、
棚作りに独特の哲学があり、例えば山登り・アウトドアの棚に



が混じっていたり、並んでいる本を見ているとそれだけで楽しく
新たな本との出会いがある書店です。
また、一緒に売られている雑貨や併設されているイベントスペース
COTTAGE」のイベントも魅力的なものが多いです。
お話で最も印象に残ったのは選書のこと。
著者と出版社と書影でその本を恵文社に置く本かどうか、
そして置いて売れるかどうかをかなりの高い確率で判断できるとのこと。
著者のこれまでの作品と出版社のこれまでの出版傾向が
それだけ「身に染み付いている」ということであり、
図書館員として見習わなければと痛感しました。
「恵文社一乗寺店」というお店のカラーと
来店されるお客様のニーズの摺り合わせ、
書店として本を売るという当然の目的を達成するために、
店のカラーとお客様のニーズと売上や出版傾向を
複合的に考えて選書されているその姿勢、
「時間は流れている」というスタンスで日々変化、
あるいは進化されているのが素晴らしく感じました。
堀部さんの書店や地域との関わりについては
こちらの本がさらに詳しいのでぜひご一読ください。


まさにタイトル通り、「左京区」という街のカラーを作り上げた小さな店たちの本。店の単なる紹介ではなく、それぞれの店主の店に対するこだわりや街の中での立ち位置、商売への思想を深く切り取りつつ、それらを繋ぎ合わせて左京区というひとつの街を物語るかのような内容。様々な小さな店が繋がり合うことで、左京区というコミュニティができつつあることが印象的。(ほんともレビュー)


最後のゲスト内沼晋太郎さんは
下北沢にある本屋さんB&B開業者であり、
また本屋ではないお店(服屋さんや雑貨屋さんやカフェなど)に設置する
本をセレクトする「ブックコーディネーター」。
そして本にまつわるノウハウとアイデアを繋げるNUMABOOKSの設立者でもあり
本にまつわる多様な活動をされています。

・B&B

http://bookandbeer.com/


・numabooksサイト
http://numabooks.com/


その活動や本に対する考えは



この本に詳述されています。

本というものの定義を紙の本や電子書籍だけに限らず幅広く捉え、なおかつその「本」の可能性、そして「本屋」の可能性を探る著作。出版・書店業界の現状とその問題点を指摘しつつ、しかし「本」と「本屋」にはまだただ未来の楽しみがある。そんな視点で著者ご自身の活動や他の様々な「本」と「本屋」にまつわる活動を紹介して、二つの未来を探っています。(ほんともレビュー)

文庫本葉書」(その本の一節が書かれた封筒に本を密封、どんな本かはわからない)や
その人のおすすめの本(同じくどんな本かわからない)を顔写真と氏名・出身地だけで選ぶという本の売り方の紹介がありましたが、
本を匿名にすることで本選びの悩ましさを軽減しつつ新たな楽しい本選びを創り出していて、
非常に考えられたアイデアだと感じました。
また、B&Bの特徴である「ビールが飲める」「家具も買える」「毎日イベントをする」の三点が
本屋の収入源を支えつつ本屋というものの弱点を補っている話から、
当日内沼さんの口から出た「常に課題意識を持っていること」という姿勢で
本や本屋が持つ課題・弱点を新たな発想で解決していくこと、
そのために日々様々なもの・ことをご自身の中に
積み重ねられていっているのが印象的でした。
「本屋はメディア」という言葉に関してグループトークでお聞きしたのですが、
「本屋は究極の食中花、街の知的好奇心の中心」とのお答え。
また、それまで本屋は本を置いているだけで売れていたのがそうでなくなり、
本に対してのニーズが実用性から知識を刺激するものに変化していること、
その上で本屋自身の個性化が大切だとご説明いただきました。
また、B&Bでは本それ自体だけで本なのではなく、
「本+イベント」で本になっている、というのも印象に残りました。


以上のようなご自身のお店や活動のお話の後
パネルディスカッションやグループトークでも
さらに踏み込んだお話をお聞きすることができたのですが、
ゲストの三者から共通して感じられたのは、
自分たちは「書店をやっている」という矜持を持ちつつ
書店であり続ける、書店を維持していくために
常に日々書店の仕事に挑んでいること、
「自分」を全面に押し出すのではなく周囲の状況や
今ある課題などを分析して自分の仕事を創り上げていっていること。
図書館的には「成長する有機体」と言えそうです。

また、同じく共通するのは「本だけではもはや街の書店は成り立たない」ということ。
街の小さな書店がほとんど見かけられないことからも
既にわかりきっていることではあるのですが、
一方で「どうして本を売るだけで書店が成り立たないのか」
という問題点が本にまつわる業界の共通課題のように思えました。

加えて、個人的にこういった図書館が主ではないイベントに参加すると
いつも私は「図書館員としてこの問題はどう自分に関わるか」
「経済的苦境にある地方に住む人間として、同じことが言えるのか?」
ということを考えます。
今回は図書館員としてこの日お話をされた方々の
「街の書店」の選書に学ぶべき点が多々ありつつも、
図書館というものの役割を考えると全く同じ論理では選書できないこと、
また図書館が生き残っていく上で図書館というものの弱点をもっと考えて
図書館の生き残り策をその弱点から何か発想しなければならないなということ、
そして私が住んでいる地方や他の地方でもしこのような書店をオープンするとしたら…
地域性や他書店のマーケティングや新しい働き方など色々と想像が膨らみました。

今回のイベントファシリテーターは
aun creative firmアートディレクター/デザイナーの森口耕次さんと
RISSIINC.ディレクターの松村倫也さん。

・aun creative firm

http://a-un.net/

・RISSIINC.
http://www.rissiinc.jp/


おふたりとも時間通りの進行をしつつ、
パネルディスカッションや全体セッションで
聴き手が更に深く聴きたいと思うことを的確に質問されていました。
このイベントを企画・運営してくださり、
参加の機会をいただき大変ありがたく思います。

また、イベント会場の奈良県立図書情報館を
イベント後見学させていただいたのですが、
「情報館」にふさわしくクリエイティブスペースや研究スペースが多々あり、
今回のように図書館に囚われない幅広いイベントを開催されており、
今後の「本+」のイベントも大変楽しみです。
また参加したく思います。
奈良県立図書情報館のイベント開催に関する趣旨については、
情報館の乾聰一郎のインタビュー記事「いかしごと」をご覧ください。
こちらも「働く」ということに関しての非常に興味深いお話です。

・いかしごと 求める人たちのことばかり考えて仕事をするのは、おかしいと思う。奈良県立図書情報館乾聰一郎インタビュー:前編
・いかしごと 自分にあった仕事なんてありえない。奈良県立図書情報館乾聰一郎 インタビュー:後編


会場に付いてプログラムを見た時に「おぉ、これは予想よりも濃いイベントだ…」と感じたのですが、
その通りに大変考えさせられることや発見の多いイベントでした。
あつかましくも打ち上げにも参加させていただき、
大変充実じた時間を過ごさせていただきました。
ゲストの皆様、企画運営に携われた皆様、ありがとうございました。


「学校司書資格」に必要な科目検討

※この記事は日本図書館研究会図書館教育研究部会例会のための記事です
なお部会所属の皆様はコメント等で本名を記載されないようお願い致します


学校司書が法制化されたましたが、
今後さらに学校司書資格が制定されたと仮定して、
これまでの自分の学校司書経験から必要と思われる科目を
司書資格・司書教諭免許・教員養成課程を参考にしつつ考えてみました。
SLiiiCのサマーワークキャンプで講師をする際に、
話のネタが無くなったら出そうと考えて作っていました。

まず科目名をざっと挙げてみます。
科目名等は司書・司書教諭・教員の科目から流用しています。
【司書】は司書講習と同じ科目で主に図書館全般に関する科目、
【司教】は司書教諭講習と同じ科目で学校図書館に関する科目、
【教員】は教員養成課程と同じ科目で教育学に関する科目
【学司】は学校司書独自の科目です。
(  )は単位数と必修・選択です。
リスト作成の説明はのちほどにして、先に科目名を挙げておきます。

【司書】・生涯学習概論(2・必修)
【司書】・図書館概論(2・必修)
【司書】・図書館情報技術論(2・必修)
【司書】・図書館サービス概論(2・必修)
【司書】・図書館情報資源概論(2・必修)
【司書】・情報資源組織論(2・必修)
【司書】・情報資源組織演習(2・必修)
【司教】・学校経営と学校図書館(2・必修)
【司教】・学習指導と学校図書館(2・必修)
【司教】・読書と豊かな人間性(2・必修)
【教員】・教育原理(2・必修)
【教員】・特別支援教育(2・必修)
【教員】・生徒指導論(2・必修)
【教員】・教育心理学(2・必修)
【教員】・特別活動(2・必修)
【学司】・学校図書館概論(2・必修)
【学司】・学校図書館サービス論(2・必修)
【学司】・学校図書館サービス演習(2・必修)
【学司】・学校図書館実習(1・選択)
【学司】・学校図書館設備論(1・選択)
【学司】・学校図書館制度・学校図書館史(1・選択)
【学司】・学校図書館基礎特論(1・選択)
【学司】・学校図書館サービス特論(1・選択)
【学司】・学校図書館情報資源特論(1・選択)
【学司】・学校図書館総合演習(1・選択)

総単位数:20科目38単位(選択からは2科目以上選択)

ちなみに、司書資格は13科目24単位なので
司書資格よりも科目・単位数ともに多くなっています。

・文部科学省「司書資格取得のために大学において履修すべき図書館に関する科目一覧」※PDFファイル

このリストを作るために、まず学校司書の業務や
学校司書として持ちあわせておくべき知識や専門性を
リストアップしました。
そのリストがこちら。

1.発注、受入、目録
2.レファレンス
3.貸出・返却、予約、リクエスト、督促
4.相互貸借
5.選書
6.目録・資料厚生
7.情報処理・情報技術
8.図書館運営計画作成
9.図書館精度・図書館政策
10.学校図書館教育計画(カリキュラム)作成
11.学校図書館教育研究
12.学校図書館組織
13.学校図書館資料論(蔵書構築、資料保存含む)
14.教職員レファレンスサービス
15.児童レファレンスサービス
16.広報活動
17.読書指導
18.学校図書館間連携
19.公共図書館連携
20.オリエンテーション(児童・教職員向け)
21.図書館デザイン(レイアウト、建築、サインなど)
22.地域・他機関連携
23.図書委員会活動
24.学校図書館史
25.学校図書館制度・政策
26.学校図書館実習
27.基本的な教育学(教育原理)
28.特別支援教育
29.生徒指導(生徒相談含む)
30.学校組織
31.課程対応
32.進路相談
33.児童心理学・教育心理学
34.教育政策

この34の項目と司書・司書教諭・教員それぞれの講習・養成課程で
必要な科目・学ぶ科目とを対比し、
それぞれの項目がどの科目に当たりそうか(カバーできそうか)を検討し
足りない項目は新たに科目を作成してリストに入れました。
詳しくは対応表のExcelファイルを見ていただけるとわかるかと思います。

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Excelファイルが見られない方のためにPDFファイルはこちら

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「学校司書がこの科目を学ぶ必要があるのか?」
「学校司書はこんなこともするのか?」
という賛否両論があろうかとは思いますが、
そういった科目は大抵

「学校司書としてこれまで勤務してきた中で
学んでいなくて苦労した、学んでおきたかった科目」

です。
色々ご意見等があるかとは思いますが、
考えるヒントとしてご笑覧いただければと思います。


1年生の「読書の練習(仮題)」

お久しぶりです、ほんともです。
今年度から卒業研究にまた取り組んだり
色んな研修会に参加したりと忙しく更新をサボっておりました…
2学期は少し仕事も落ち着きそうなのでちょくちょく更新したいと思います。


さて、今回は1年生の「読書の練習(仮題)」についてです
(良い名前が思い浮かびません、何かもっと良い名前があればいいのですが)。
「読書の練習」と書くといかがわしい感じがしてしまいますね。


内容は、


(1)図書館に来て本を返して借りる
(2)廊下に並んで全員一緒に教室に戻る
(3)教室で各自椅子に座り授業の趣旨を説明
(4)読む様子を見ながら苦手な子を担任・司書がフォロー


というものです。
1年生の図書の時間に行いました。
「どこかで見たような…」とお思いの方がいらっしゃるかと思いますが、
島根県松江市(旧出雲町)の揖屋小学校の実践を真似たものです。


揖屋小学校の実践では(うろ覚えですが)
朝の読書の時間に行い、
本は物語の本で教科書と同じ書体の本を用意し、
担任・司書教諭・学校司書の3人の先生が入って
行うというものでした
(すみません、うろ覚えですので間違いがあるかもしれません)。


本校は朝の読書の時間がクラスの裁量で行われているので、
図書の時間に行うこととしました。
また、読む本は図書館で借りた本でも良いし、
司書がブックトラックに載せた本でも良い、としました。
ただし、間違い探し絵本やなぞなぞの絵本、
マンガや絵しかない絵本などは読んではいけないこととしました。
また、本校では物語に限らず絵本(少し長めのもの)や
他の類の1年生が読めそうな本も準備し、
本の難易度も簡単なものから少し難しい物までそろえました。
書体に関しては手書きやポップな書体のものは避けました。
以下、実践してみてわかったことです。

(1)図書館で行うよりも教室で行う方が良い
本校は図書館にクラス全員分の座席が無いので
必然的に教室でする選択肢しかありませんでした。
教室から図書館に移動する手間と時間が
もったいないように思われましたが、
図書館で読みたい本を選べるし、
本を貸し借りして移動する時間を差し引いた残り25分ほどが
1年生が集中して本を読める限界ちょうどくらいで、
時間的には問題ありませんでした。
また、図書館に座席がクラス全員分あったとしても
教室で行った方が良いように感じました。
図書館の座席は大抵4人掛けだと思いますが、
4人掛けだと苦手な子をフォローする際に他の子の気が散る、
教室の1人掛けだと真横について集中してフォローしやすい、
また教室だと机間移動がしやすく全体を見てまわりやすいと感じました。

(2)本は幅広く揃えた方が良い
1年生が選んでいる本を見ると、
ほとんどは絵本や物語の本で、
一部の生き物好きの子は生き物の本を選ばない、という状況でした。
1年生の時点で既に本の選択に偏りが見られます。
しかし調べ学習を今後行うことを考えると、
幅広い本を準備し教える側から幅広い本を読むように
働きかける必要があります。
また、そのような本の魅力を伝えるのが学校司書の役割であり、
様々な本を知り子どもたちが魅力的に感じるような
紹介の手法を身につけておく必要があるように思います。


(3)本の難易度も広く揃えた方が良い
子どもたちによって文章を読む力の差があるのは当然なのですが、
その差はかなり広いように感じました。
青い鳥文庫をすらすら読む子もいれば、
絵本の文字を追うので精一杯、という子もいます。
どの分類の本にしろ、子どもたちの幅広い読書力に
対応できるよう様々な難易度の本を準備する必要があります。

(4)絵本の文字の配置
絵本によっては文字の配置が上下左右に分かれているものがあり、
本を読むのに慣れない児童にはどこをどの順番で読めば良いのか
わかりにくいように見受けました。

(5)会話文について
本によっては会話文が「 」で区切られていないもの、
また逆に「 」で会話文ばかり続くものもあります。
会話文が「 」によって区別でき、
また会話文ばかりが続かないもののほうが
1年生には読みやすいように見受けました。

(6)オノマトペのみで場面を表現しているもの
作品名など具体例を挙げられればわかりやすいのですが…
物語の場面の様子をオノマトペ中心に表現しているもの、
例えば船が海からやってくる場面で
「ふねがどんぶらこぶら…。
 ちかづいてきます、どんぶらこぶら…。」
という風にオノマトペで簡略化して説明しているものは、
文字は追えるけれども意味を追いにくいように思いました。
しかし一方で「想像力を養う」面もあるので、
これはどちらが良いか判断に迷うところです。
ただ、読むのが苦手な子にはこのような本は
場面の意味や展開が読み取りにくく、
読みにくいように見受けられました。

(7)場面展開や文末表現
(6)にも通じるものがあるのですが、
説明が簡略で場面展開がわかりづらいものや、
文末表現が「…」になっていたり
体言止めになっていたりしている
複雑な表現のものも、読むのが苦手な子には
読みづらいように見受けました。

(8)物語・絵本以外の本がかえって読みやすい
(6)(7)を踏まえるとむしろ、
科学絵本などの方がむしろ子どもたちには
文章表現が単純で読みやすいのではと思いました。
実際、科学読物で漢字も交えた(ルビは振ってある)
字が細かく行間が狭く長い本を集中して読める子もいました。
ただ、同種の物語の本を今回は入れていなかったので
比較がまだ必要だし個人の読書力の違いもあるので
これも必ずしも正しいとは言えません。

(8)1年生が知らない単語が多いものは避ける
行事絵本など1年生が知らない単語が多く出てくる本は
読めても内容が理解できていないようでした。
また、後述しますが単語を知らないので
文字を追う際に文章の区切りが単語単位で捉えられず
読みにくいように見受けました。

(9)読むのが苦手な子は単語で区切って読まない
読むのが苦手な子は、ひらがなを1文字1文字追って、
1文字ずつ棒読みで読みあげていきます。
単語ごとに区切って読む、意味を捉えて読むというのできません。
まだひらがなを完璧に覚えていないというのが原因ですが、
そういった単語ごとに区切って読むというのを
どこかで教える必要があるように感じました。
例えば、電子黒板に文章を全く区切りや句読点を入れず表示して、
区切りや句読点を入れた文章を比較して、
文章は意味のある単語で区切って読むと読みやすいんだよ、
というような指導が必要なように思いました。
また、そいういった読むのが苦手な子も付き添って読み続ける内に
何度も出てくる単語はすらすら読めるようになったり、
後半は読むスピードが上がったりしていました。
集中して読むことによる効果が出ていました。

(10)楽しいという子もいれば疲れたという子もいる
終わったあと感想を聞いてみると「面白かった!」という声が
意外にも多く出てきました。
そしてもちろん、「疲れたー」という声もありました。
おおよそ25分ほどですが、
やはり集中して読むのは1年生には体力を使うように見受けられました。
私はこの授業をあと2、3回続けようかと考えていたのですが
担任の先生から「月に1回くらいすれば良さそうですね」と言われ、
確かにこれが毎回続くと1年生にはハードだなと考えを改めました。
ただ、このような読み方を普通の図書の時間にも心がけるようにし、
教室でも本を読む時間を空き時間等に取ってもらい、
定期的にこの「読書の練習(仮題)」時間を設けて
その度に読む本が多様になるよう指導したり
読む手法をレベルアップしていけば効果が期待できるように思います。

(11)事前に読むのが苦手な子を担任の先生と共有しておく
どの子が読むのが苦手か、というのは担任の先生が
普段の授業の様子からだいたい把握しています。
読むのが苦手なのはふたつのタイプがあり、
「集中力が続かない」タイプと、
「読むことそのものが苦手」タイプの2通りです。
どちらのタイプの子も事前に共有しておき、
それぞれのタイプに合った働きかけをする必要があります。
前者なら本をオススメするなどして飽きないように、
後者は付き添って一緒に読むのが効果的ですが、
他にも何か良い手法があるかもしれません。



やってみた結果以上のようなことがわかりました。
今後、内容や選書をブラッシュアップしていき
より効果的に行いたいと思います。
また、他にも何か良い手法などの情報をいただけましたら幸いです。


SLiiiCサマーワークキャンプ2014の講師を務めます&サマーワークキャンプ開催のためのご支援のお願い

みなさま、“SLiiiC”という活動団体をご存知でしょうか?
SLiiiCとは“School Libraries Communication, Collaboration, and Combination”の略で、
「学校現場で働く学校図書館員(学校司書等)と学校図書館やWebに関心のある
 学生・研究者が協力して,学校図書館に携わる人々の支援」
を目指している団体です(サイトトップより)。

・SLiiiC 学校図書館プロジェクト–働き人と学び人の共創– 学校図書館に携わるすべての人と創り出したい・・・
http://www.sliiic.org/


そのSLiiiCがほぼ毎年夏(9月頃)に開催しているのが、「サマーワークキャンプ」。
学校図書館関係の講師を招いて講演を行ったり、
講演に関するトークセッションやワークショップも行われたり、
非常に充実した内容の研修を2日間に渡って行われています。
昨年度参加させていただきましたが、
普通の研修と違い単なる先駆例の実践報告に留まらず、
学校図書館が抱える問題点や課題に迫る内容で
とても考えさせられる研修でした。

さて、このたびほんとも!がSLiiiCサマーワークキャンプ2014の
講師を務めさせていただくことになりました。
どういったお話をさせていただくかはまだ検討中ですが、
SLiiiCの横山様と今井様のお二人と鼎談を行い、
その模様の前編が下記URLにてアップされております。
後編も後日アップされる予定で、
前後編合わせてお読みいただければほんとも!の人となりと、
今回私がどういったお話をさせていただくかがなんとなく掴めるかと思います。

https://readyfor.jp/projects/sliiic-swc2014/announcements

さて、ほんとも!から皆様にお願いです。
このSLiiiCはあくまで任意活動団体であり、
会員から会費徴収等もされていません。
そのため、“READYFOR?”というクラウドファンディング
(オンラインでの資金調達)を利用して
サマーワークキャンプ開催費用を集めています。

このサイトをご覧の方はほとんどご存知かと思いますが、
学校図書館司書は大半が非正規雇用のため、
自費での研修参加も厳しい方がたくさんいらっしゃいます。
しかし、そういった方にこそサマーワークキャンプに参加していただき、
学校図書館司書としてのスキルをアップしていただきたい、
そして教育現場で学校図書館の可能性を広げていき
子どもたちの学びを支え育てていきたい、
という思いから参加者の参加費を抑えるため、
READYFOR?にて資金調達をされています。

学校図書館は、教科書だけでは学べないことを学ぶ、
子どもたちの学びの可能性を広げる場です。
その学校図書館を支える学校司書のスキルアップは、
ひいては子どもたちの学びを広げることに繋がります。
子どもたちの学びを広げるため、
SLiiiCサマーワークキャンプ2014開催のための
資金調達ご支援をよろしくお願いいたします。


・READYFOR? SLiiiCサマーワークキャンプ2014を
開催して学校図書館教育を活性化させたい!支援ページ
https://readyfor.jp/projects/sliiic-swc2014