新米学校司書さんが注意すべきこと その4 学校司書の基本的な仕事

【新米学校司書さんが注意すべきこと 記事一覧】
その1 4月1日までに知っておいた方が良いこと
その2 学校組織と学校図書館について
その3 とりあえずすべき目の前の仕事
その5 学校司書の立場
その6(最終回) 教職員・ボランティアさん・他校の学校司書さん・公共図書館との連携
新米学校司書さんに送るツイートまとめ
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学校司書の仕事は多岐に渡ります。
それこそ、ブログの一記事などで紹介しきれるものではありません。
ここではごくごく基本的な仕事について書きます。
しかし、ここに書いている仕事の全てができるとは限りません。
おそらくこの記事を見ている新米学校司書さんは
残念ながらほぼ非正規雇用かと思います。
勤務時間や勤務日数が短い、
複数校を兼任される方も多いかと思います。
自分の勤務時間や勤務日数を考えて
可能な範囲で無理せずにお仕事をしてください。

(1)貸出・返却・予約・リクエスト・督促
これは学校図書館というよりも図書館としての
ごくごく基本的な仕事です。
なお、これらを行う際には
個人情報等に十分留意して行う必要があります。
誰が何を借りているか・返したか・予約したか・
リクエストしたか・誰が本を遅れているか、
などは個人情報であり取り扱いに十二分に注意が必要です。
また、これらをどのように行うかは図書館システムの機能や
貸出方式等でやり方も変わってくるかと思います。
図書館システムが入っていれば普通予約や督促も
機能が組み込まれているかと思います。
システムのマニュアルを読んでみましょう。
アナログなカード方式だと予約・督促は
大変手間のかかるものになってしまいます。
慣れない内は予約・督促を行うのは大変なので、
慣れるまではしばらく停止してしまうのもひとつの手段かと思います。

(2)開館(休憩時間、放課後、夏休み等特別期間)
開館時間等は学校によりけりです。
そもそも休憩時間が何時から何時かというのも学校によって異なり、
それに合わせて「昼休みは開館するけどそれ以外の休憩時間は開館しない」
「休憩時間が5分の場合は開館しないけど10分や20分の場合は開館する」など
学校によって様々なので、確認する必要があります。
また放課後開館するかどうかも学校によりけりです。
放課後は児童の下校時刻が決まっている、
放課後は先生が図書館に入れないので開館しない、というケースもあります。
このあたりは赴任された学校で事前に確認しましょう。
学校によっては夏休みや冬休みに開館する学校もあります。
それも学校によりけりなので確認しましょう。
また、学校司書の勤務時間や日数が短い場合は、
学校司書が不在の時に先生や図書委員やボランティアさんが
開館を行っている場合もありますので、これも確認しておきましょう。

(3)図書の時間
これは小学校で行われており、
中学校や高校の図書館ではあまり行われていないかと思います。
週1回(学校や学年によっては隔週など)ほど、
図書館に子どもたちが来て授業を行います。
この図書の時間に本の貸出・返却をしたり、
読み聞かせやブックトークを行ったり、
また調べ学習を行ったり調べ学習の調べ方の指導などを
行うこともあります。
どのような内容で行っているかは前任者や
他の学校司書さん、昨年度からいる先生に確認するのが良いでしょう。
特に調べ方指導等ではなく普通にする場合、
ウチでは

本の返却

読み聞かせスペースに座る

授業始まりの挨拶

大事な連絡などがあれば連絡

読み聞かせやブックトーク

本を棚に戻す(自分で戻すか司書が戻すかは学校次第)

借りたい本を選んで貸し出し手続き

残り時間は自由読書

という風に行っています。
返却を最初に一斉に行うのは、
その方が後で貸出と返却がごた混ぜにならず混乱しないからです。
また、図書の時間は「息抜きの時間」ではありません、あくまで「授業」です。
子どもたちにとっては他の授業より楽だったり、
場合によっては先生も息抜きの時間と捉えていたりもします。
しかしあくまで「授業」なので、静かに本を読む、
友だちとおしゃべりをしないなどのルール決めは必要かと
個人的には思います。
また、この図書の時間でそういった点を注意して行わないと、
休憩時間の利用マナーも乱れるように思います。

(4)読み聞かせ・ブックトーク・アニマシオン
これは小学校のみならず中学校・高校でもすることがあります。
読み聞かせは絵本を読んだり詩を朗読したり、
場合によっては文学作品を朗読したり、
ブックトークは季節や行事、
あるいは授業内容などに合わせてテーマを決めて
本を紹介したり読み聞かせを行ったりします。
小学校では図書の時間に主に行う他、
授業に出張して行ったりする場合もあります。
また、「アニマシオン」というのは、
本を使って様々な「作戦」(適切な表現ではないかもしれませんがゲームのようなもの)
を行うことで子どもたちの本を読む力を育てるものです。
準備や実施に時間がかかり先生方の協力や
本を複数冊用意するなどの手間もあるので、
新米学校司書さんがいきなり行うのは
大変むずかしいと思いますので、まずは知識として
「アニマシオン」というものがあると知っておく程度で良いかと思います。
なお、「ほんとも!」にはジャンル別・月別の読み聞かせブックリストや
行事・記念日等を登録した読み聞かせカレンダーがあります。
サイト上部にあるメニューのリンクからご覧いただけますので、
ぜひご活用ください。


(5)オリエンテーション
図書館の使い方を教えることです。
本の借り方・返し方や本を元の場所に戻すこと、
図書館での過ごし方やマナー、予約の方法、
開館日や開館時間、
本の並びについて、本の分類について、
日本十進分類法についてなど、
図書館の利用方法について児童・生徒に教えます。
児童・生徒は学校図書館を使うだけではありません。
地域の公共図書館を使うこともあります。
また、卒業してからも大学図書館を利用したり、
公共図書館やはたまた国立国会図書館など
様々な図書館を利用することも有ります。
それらを上手く利用できるように教えることはもちろん、
生涯にわたって図書館ユーザーであるように、
生涯図書館を使って学び続けられるように、
図書館の使い方だけでなく図書館を使うことの意義、
図書館の役割なども伝わるように
オリエンテーションを行いたいものです。

(6)授業支援・レファレンス(資料・情報探し)
学校図書館は学校図書館法で「教育の展開に寄与する」と定められています。
学校教育や授業・委員会活動等がより効果的に行われるよう、
学校図書館は求められればその支援を行わなければなりません。
具体的には、授業や調べ学習で使用する資料を準備したり、
授業や調べ学習で使えそうな情報(本に限らない)を探し出したり、
また授業という場面に限らず休憩時間等様々な場面で
児童・生徒の資料や情報探しを手助けする必要もあります。
また、市町村によっては公共図書館からの支援を受けることができ、
公共図書館から資料を借りることができたり、
学校図書館だけでは対応できない場合に
公共図書館が資料・情報探しを行ってくれる場合もあります。
また、公共図書館に限らず博物館・美術館等の文化施設などを活用する方法もあります。
いずれにせよ、学校図書館は単なる読書センターではなく、
授業支援や資料・情報センターの役割を担う必要があります。

(7)図書だより作り
図書だよりは児童・生徒に本の紹介をしたり、
夏休み貸出やその貸出期間、夏休み開館、
新着図書の紹介、利用マナーについてなど、
図書館の様々な案内をするための文書です。
PCで作成したり手書きで書いたり、
B4裏表だったりB51枚だったり、
作成頻度も月1回から毎週などなど、
作り手によって様々です。
また、図書だよりは児童・生徒だけでなく、
児童・生徒が持って帰って保護者の方も読みます。
図書だよりは保護者への学校図書館の広報誌でもあります。
また、先生たちも当然目を通しますし、
児童・生徒向けとは別で先生向けの図書だよりを発行したり、
家庭向けの図書だよりを発行する方もいらっしゃいます。
無理の無い範囲で発行しましょう。
また、学校によっては図書館担当の先生が発行される場合もあります。
なお、発行の際には必ず作成後図書館担当の先生に見てもらい、
さらに校長先生など管理職の先生に内容を確認してもらう必要があります。

(8)図書委員会活動
本来なら図書委員会は先生が指導するものですが、
学校司書も図書委員会に関わることもあります。
しかしあくまで指導の主体は先生が行うべきものなので、
学校司書は本来なら関わらない、
関わったとしても補助的な役割を担うのが普通です。
しかし学校によっては学校司書が主となって行っている学校もあります
(特に高校図書館でそういった場合が多いようです)。
高校図書館の事情はわかりませんが、
小学校・中学校は本来なら先生が行うべきものですし、
新米学校司書さんが委員会の指導をいきなり行うのは大変難しいと思います。
図書委員会担当の先生がどなたなのかを確認し、
先生に一任して、「学校司書になったばかりでわからないので
先生にお任せします」とお願いして関わるとしても
あくまで補助的な立場であることをやんわりと伝えましょう。
また、図書委員会はよく休憩時間の開館当番をして、
貸出・返却を行うことが多いように思います。
個人情報保護の観点から図書委員会が貸出・返却を行うのは賛否両論ありますが、
もし委員の児童・生徒が貸出・返却を行う場合は、
事前に誰が何を借りていたかなどの情報は絶対に秘密を守ること、
またカウンターなどで茶化したりしないこと、
そして貸出・返却ミスが起こらないようにしっかり見守りましょう。
また、本来ならこの休憩時間の当番も委員会活動なので、
委員会担当の先生が入るべきです。
先生方は忙しいのでなかなか入れないかもしれませんが、
もし図書館で生徒指導的な問題が起こったりした場合も考慮して、
特に中学校では先生に入ってもらえないかどうか
図書委員会担当の先生に聞いてみましょう。

なお、本当はあってはならないことですが
もし図書委員会が学校司書に「お任せ」状態であったならば、
委員会の指導は「最初が肝心」です。
まず、そもそも委員会活動というものは先生たちだけでなく
児童・生徒たちも学校の運営に関わって
学校をより良くするためのものであるという意義を確認し、
その上で図書委員として学校図書館をどうより良くしていくか、
児童・生徒達自身が考えて活動していくのが「委員会活動」です。
このあたりを強調して最初にしっかり伝えておかないと、
委員会活動がなあなあになってしまうように思います。
自分たちが学校をより良くする担い手であることを
認識できるように「最初に」しっかり教える必要があるように思います。

(9)掃除
掃除も委員会活動と同じく本来は先生が指導することなのですが、
昨今の先生不足のためほとんどの学校で
学校司書が掃除の指導も行っているように思います。
小学校ならば図書館の掃除担当の学年・クラスが決まっていたり、
あるいは「縦割り」と言って色んな学年の児童が掃除担当だったりして、
毎日掃除の時間があります。
中学・高校では放課後に週1回か2回掃除の時間があったりと、
小学校とはまた違うようです。
委員会でも書きましたが、掃除も同じく「最初が肝心」のように思います。
特に小学校では箒の使い方や雑巾の絞り方を知らない児童もいます。
図書館のどこをどんな風に掃除するのかというのを
最初にしっかり教えておくと、その後まじめに掃除に取り組むように思います。
自分の場合、1回目の掃除ではほとんど掃除は行わず、
ホワイトボード等を使ってしっかり掃除の手順や方法を教えています。
繰り返しになりますが委員会も掃除も「最初が肝心」だと思います。


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  5. mari007

    ほんともさん 情報ありがとうございます。
    この4月から学校図書館派遣司書で、頑張ることになりました。
    公共図書館での司書業務が長かったのですが、学校司書は初めての経験で不安で潰れそうです。

    返信

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